あらすじ
気が付いたら俺は、人生で一番やりこんだゲーム『人はいつか死ぬ』の悪役貴族、ロイスロットに転生していた。
「よろしくお願いしますね、救世主様」
……待て。
こういう転生ものって、普通は前世の人格に上書きされるんじゃないのか?
なのに、なぜ俺の頭の中にはロイスロットがいる?
ロイスロット曰く、彼はゲーム内で起こるバッドエンドの未来を見たらしい。
そして、その未来を変えるために俺へすべてを託したという。
このゲームでは、ハーレムエンド以外のルートに進むと、必ずヒロインの誰かが死ぬ。
なら、目指す未来は一つしかない。
ゲームの主人公リュウジとヒロインたちのハーレムエンド。
……ただし、問題がある。
ゲームで描かれていたのは、あくまで主人公リュウジの物語だけだ。
リュウジがヒロインたちと過ごしていない時間。
ゲームでは語られなかった出来事。
悪役であるロイスロットから見た、もう一つの世界。
そこには、俺の知っている『人はいつか死ぬ』とは違う現実があった。
小さな出来事。
些細な感情。
ほんの少しの選択。
そんな小さな「ズレ」が、少しずつゲームのシナリオを変えていく。
それでも俺は、ハーレムエンドを目指す。
ヒロインを誰一人死なせないために。
そして、その未来で自分が死ぬ運命だとしても――。
俺は、ゲームのシナリオと現実の矛盾を、一つずつ繋ぎ合わせていく。