あらすじ
四十代後半、独身、彼氏なし。
傷つくのが死ぬほど怖くて、小心者でコミュ障な自分を隠すために、四十数年かけて着込んできた「偉そうな鎧」。おかげでちっともモテないし、損ばかりしてきた。
週末の夜、缶チューハイ片手に、私はいつも同じことをする。「もしあの時、別の選択をしていたら」という、あり得たかもしれない未来の妄想だ。
貧乏な元彼と結婚していたら? 出会い系で会った自称起業家と結ばれていたら? 浮気を知った夜、鎧を着込んで岩盤浴に突撃していたら? 年下男子に本気で色気を出していたら?
どの妄想も、重すぎる鎧のせいで、なぜか斜め上の結末に転がり落ちていく――。
孤独は消えない。答えも見つからない。それでも今夜も、鎧を着たまま、私は缶チューハイのプルタブを開ける。