あらすじ
怪異――それは、人々の恐怖や噂から生まれる異形の存在。
その力を秘かに利用し、あるいは悪用しようとする者がいる現代社会で、怪異を専門に扱う「スパイ」が暗躍していた。
少年・真白も、その一人だ。
かつて瀕死の重傷を負った真白は、雪の降る夏の日に出会った白髪の少女・七華によって命を救われた。
ただし、その代償は彼女に一生仕えること。
こうして七華の「奴隷」となった真白は、怪異物専門のスパイとして、怪異の回収や事件の調査に身を投じることになる。
ある日、二人に舞い込んだのは、養鶏場に出現した怪異「ヒギョウ様」の回収任務。
それは、インターネット上の怪談として知られる「くねくね」を利用して人工的に生み出されたものだった。
怪異は人々に知られ、恐れられるほど強大になる。
だからこそ、彼らは怪異を秘密裏に回収し、その存在を世間から隠さなければならない。
しかし、怪異を狙うのは彼らだけではない。
怪異を収集して売買する者、怪異を利用して事件を起こそうとする者、そして同じように怪異を追う秘密組織――。
怪異を巡る争いは、表社会からは決して見ることのできない場所で繰り広げられている。
そんな中、二人の次なる任務は、不可解な死亡事件が相次ぐ不動産会社・川北不動産の調査。
心臓発作と思われる突然死。しかし、事件現場には奇妙な共通点があった。歯が抜け落ちているのだ。
怪異の気配を追い、身分を偽って敵地へ潜入する真白と七華。
軽口を叩き合いながらも任務をこなす二人は、やがて事件の裏に潜む怪異の存在へと近づいていく。
果たして、その事件の正体とは──。
怪異を恐れる者、利用する者、そして密かに回収する者。
今日もまた、誰にも知られることなく怪異譚は始まる。