あらすじ
中学に入学して、わずか三か月。
父の転勤で、親友とも、大好きな合唱部も離れることになった水野遙。
人見知りの遙は新しい学校に馴染めず、前の家へ帰りたいと願っていた。
そんな彼女に声を掛けたのは、明るく強引な演劇部の先輩だった。
個性豊かな仲間たちと過ごし始めた夏休み。
月の観察に出かけた遙は、古い神社で不思議な笛の音を耳にする。
姿の見えない誰かが奏でる、どこか寂しげな音色。
そっと歌声を重ねると、笛も応えるように響き始めた。
同じ頃、遠い昔の東国にも、都へ帰りたいと願う一人の少年がいた——。
歌うこと。
誰かと出会うこと。
そして、自分の居場所を見つけること。
同じ月の下、時を越えて心を通わせる二人と、演劇部の仲間たちが紡ぐ、ひと夏の青春物語。