あらすじ
成人した千夜保は、名もなき闇の狙撃手にロア弾を左肩へ受け、「綺麗なまま許しを乞え」と命じられる。整顔は従った顔を美しく固定し、逆らった輪郭を剥がす。傷は先に快感になり、窓のない部屋で鎖と三人の手が、円と浅い熱と舌でお願いを引き出そうとする。
空白が飢えた拍に、下の舌が一度強く吸う。声が甘い音になって落ちる寸前、別の音が割って入る。山村が子供っぽい声で名を呼び、鈴木の破砕点で扉が剥がれ、香澄の桃が窓の隙間から落ち、氷室の空き缶が核の乗る手首を叩く。
熱は残る。塞いだ掌が円の続きになり、短い喘ぎが出ても、氷室は「今のはロアだ。名前に答えるな」と切る。鈴木が八点周期と瞬きを読み、千夜は鎖の中で輪ゴムを弾く。視線が外れた隙に山村が第二を落とし、香澄が定着を層ごと剥がす。喉まで来ていた「お願い」を、千夜は歯で噛む。今のは熱だ、と。
鎖は外れる。肩の円の記憶は残り、疼きは何年も続く。それでも膝は折れない。路地で香澄が「名前はこっちから呼ぶ」と言い、千夜は探偵の台詞の残りを救出のあとに置く。やっと見つけた。黒幕は、もう終わりだ。綺麗なまま乞わなかった男は、小さくても四人とあくび一つ分の祝いで、先に歩く。