あらすじ
深夜の弁当屋「夜舟」に、暴露騒動ですべてを失った元人気俳優・志摩玲央が現れた。
長年のファンであることを隠した水沢栞は、売れ残りの弁当を渡すうち、玲央が一度も「自分は無実だ」と言わないことに気づく。彼は、共演者の腕をつかんだことも、事実と違う安全報告書へ署名したことも否定しなかった。
やがて玲央が来る店として夜舟が特定され、栞の生活まで炎上に巻き込まれる。玲央は姿を消した。残された弁当箱の底にあったのは、一枚の手紙だった。
彼が守ろうとしたのは誰なのか。沈黙は優しさだったのか、それとも別の誰かへ押しつけた罪だったのか。栞は推しを救うためではなく、目の前の人が自分の言葉を取り戻すために、夜の記録を一つずつ開いていく。