あらすじ
宇宙観測所でアルバイトをするロゼは、愛車のグラベルバイクで通う日々を送っていた。ある日、IQ200と噂される幹部カシーニが、別次元から未知の生命体が到来すると騒ぎ始める。カシーニは「侵略者」と断定して捕獲隊を出すが、火炎放射も液体窒素も効かない。捕獲隊の退散後、現場に残ったロゼは透明でぷにぷにした生命体と出会う。敵意のないそれに「プニ」と名付けたロゼは、こっそり観測所へ連れ帰る。
一晩で人間の言語を完璧に学習したプニは、地球に迫る壊滅的な危機を伝えに来たと明かす。事態を知ったロゼはカシーニに報告しようとするが、受付AIに拒まれてしまう。その間にカシーニは大部隊を率い、海上に現れたプニたちの宇宙船へ核兵器による強攻を開始する。しかし攻撃は一切通じず、反撃を受けた部隊は泡に包まれて無力化され、パニックに陥ったカシーニは部下を捨てて逃亡した。
観測所に戻ったロゼが泣きながら抱きしめると、彼女はプニの体内部――「クリシス」と呼ばれる泡状の空間に包み込まれる。そこにいた小さな子供(プニの本体)は、自分たちが20億年後の未来からやってきた人類の末裔であること、そして地球へ迫る「惑星衝突」から人々を守るために来たことを告げる。絶対の防御力を持ち成長すらコントロールできるクリシスの優しさに、ロゼは胸を打たれる。
そこへ命からがら逃げてきたカシーニが観測所へ押し入り、ロゼに襲いかかろうとする。制止しようとしたプニに向けカシーニが放った銃弾が跳ね返り、ロゼに命中して彼女は息絶えてしまう。プニはカシーニを泡に閉じ込め、直後に最接近した巨大惑星を世界中のプニたちと協力して滑らせ、衝突を回避させた。命を落としたロゼもクリシスの力で幼い姿へと「生まれ変わり」、新たな生命を得る。
衝突は免れたものの熱風で人類の半数が死亡したが、実はその死滅は「戦いを起こす危険な人間」を排除する、クリシス星人の合理的な「種の存続」計画によるものだった。汚染が進む地球で、クリシスに守られた人間たちだけが新たな星へ移住する未来を待つ。生まれ変わったロゼは、心地よい汚染風のなか、ただ静かに佇んでいた。