あらすじ
死んでも、数分後には生き返る。
人類が死後に指定された場所で《リスポーン》するようになった世界では、「死」はもはや人生の終わりではなかった。
殺されても戻ってくる。事故で死んでも戻ってくる。だからこそ、本当に恐ろしいのは死ぬことではなく――死ぬことすら許されず、捕らわれ続けること。
そんな世界で暮らす青年は、喧嘩も弱ければ特別な力もない。ただ、人一倍負けず嫌いだった。
ある夜、犯罪者に連れ去られようとしている女性を見つけた彼は、男たちに立ち向かう。当然のように返り討ちにされ、一度は殺される。
それでもリスポーンして、もう一度戻った。
そして二度目の戦いで、男の一人を殺してしまう。
どうせ数分後には戻ってくる。
そう思って、その場を立ち去った。
――しかし、その男は二度とリスポーンしなかった。
この世界に存在しないはずだった、本当の「死」。
やがて警察は、永久に人を殺せる謎の人物を追い始める。一方、その存在を恐れた犯罪者たちもまた、彼を捕らえるために動き出す。
本人だけが、まだ知らない。
この世界でただ一人。
自分に殺された人間だけが、二度と戻ってこないことを。