あらすじ
「見下していた相手に喰われる瞬間、人間はとてもいい顔をする。俺は、その顔を見るのが好きだ」
勇者パーティーを「戦わない奴に分け前はいらない」と追放された元罠師・シグ。今の仕事は、潰れかけのダンジョンを立て直す〈再建屋〉だ。
新しい依頼先は、国でいちばん安全な練習場と呼ばれる「スライム洞」。いるのはスライムだけ。冒険者の乱獲で魔素は残り七日分、飢えたスライムはすでに共食いを始めていた。
しかも三日後、かつてシグを追放した勇者アルドの一行が、手柄目当てに踏破へやって来る。
魔物に命令はできない。シグにできるのは、食わせる餌を変え、罠を置き、あとは特等席で眺めることだけ。
スライムだけで作る食物連鎖。飢えと共食い、そして進化。
見下して入ってきた侵入者たちの顔が、少しずつ崩れていく――。
悪趣味な再建屋が贈る、ダンジョン側からの「ざまぁ」ダークファンタジー。
【登場人物】
シグ:元・勇者パーティーの罠師。今はダンジョン再建屋。侵入者の顔が恐怖に崩れていくのを眺めるのが、何より好き。
メル:スライム洞の主。ダンジョンコアの化身の少女。すぐ泣くが、スライムたちを「うちの子」と呼んで守ろうとする。
チビ:手のひらサイズの最弱スライム。苔を食べず、魔法陣ばかりなめている。
アルド:シグを追放した勇者。手柄ほしさに、最弱ダンジョンの踏破にやって来る。
リゼ:勇者パーティーの斥候。シグの後任。観察眼が鋭い。