あらすじ

「妻の仕事など、誰にでもできる」 離縁状にそう書き添えて、夫は私を子爵家から出した。 十二年、朝は四時に起き、使用人四十人と、台所と、来客と、冬の薪の量を回してきた。 「承知しました。では、その“誰にでも”をお貸しします」 「……何の話だ」 「日割りで。お代は前金で頂戴します」 街で看板を出した翌日、最初の客は元夫の家令だった。 「奥様……いえ、ドーラン殿。三日でいい、誰か寄越してくれ」 一人目は、朝四時に起きられずに帰ってきた。 二人目は、来客の席次で公爵夫人を下座に座らせて帰ってきた。 三人目は、薪の量を間違えて、子爵家の東棟を三日間凍らせて帰ってきた。 四人目を送る朝、元夫が自分で店に来た。 「……戻ってくれ」 「どちらの席へでしょう。妻の席ですか、それとも」 私は帳面を開いた。 「うちの、四人目の席ですか」

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カクヨム
カクヨム2026/09/22
  • 現在の作品「妻の仕事など誰にでもできる」と離縁されましたので、その“誰にでも”をお貸しする商いを始めました ~お代は日割りで頂戴します~