あらすじ
十七歳の高校生、如月礼(きさらぎ れい)。
誰かに待たれることも、必要とされることもなく生きてきた彼は、ある日突然、剣と魔法の異世界へと迷い込む。
そこで出会った冒険者たちに拾われ、礼は初めて「仲間」と呼べる人々と、帰る場所を手に入れた。
しかし、彼には致命的な問題があった。
――魔力が、ほとんどない。
剣の才能があるわけでもない。特別な加護も、神から与えられた能力もない。
それでも仲間たちと過ごし、少しずつ異世界での生き方を覚えていった礼だったが、ある遺跡での出来事を境に、その日常は終わりを迎える。
死の淵で、礼は自分の内側に存在する“何か”を感じ取った。
魔力ではない。
この世界の誰も知らない、名前すら存在しない力。
教えてくれる者はいない。
使い方を記した本もない。
ならば、自分で調べるしかない。
試して、失敗して、傷ついて。
やがて礼は、その力に一つの名前を与える。
――《童力》。
そして、その力を操るための技術を――《童術》と名付けた。
これは、何者でもなかった一人の少年が、誰も知らない力を自らの手で切り拓いていく物語。
童貞には、無限の可能性がある。