あらすじ

東京の下町で、亡き祖父の古書店を継いだ青年・槙野律。 本をただの「四角い商品」として淡々と捌いていたある晩秋、遺品整理で持ち込まれた古い紀行本から、色褪せた一枚の栞が滑り落ちる。 そこには、手描きの略地図と、震える筆跡で記された一行の言葉。 『この旅の終わりに、私を許してください』 日付は、ちょうど三十年前の十月。 持ち主だった女性は生前、東北の話題を病的なまでに避けていたという。 なぜ彼女は北へ向かったのか。 なぜ、旅の終わりに「許し」を請わなければならなかったのか。 信州の林檎畑、会津の黄落、そして本州の北の果てへ。 古本屋の青年が栞の足跡を辿る先で紐解かれる、三十年前の美しくも哀しい「嘘」の真相。 本を開くすべての人へ贈る、秋の旅情ミステリー。

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小説を読もう2026/09/22
  • 現在の作品古本屋の栞は北を指す