あらすじ
大正十五年。山の鉄道工事の現場から、一体のミイラと人骨が見つかった。
この山には、古くからの山岳信仰と、埋蔵金伝説が残されている。
取材に訪れた新聞記者・津山瑞(ミヅ)は、事件の謎を追い、洞穴の現場へ向かった。
一方、山の社交場と名高い青嶺屋ホテルの最上階には、七代目主人・田部一郎だけが知る秘密の居室階があった。
外界から隔絶されたようなそのフロアには、かつて山の神と呼ばれた二柱の怪異が潜んでいる。
人の間に身を潜め、時を超えて生きる者たち。
大正、昭和、平成、令和――。
時代が変わっても、ホテルのどこかに怪異は潜んでいた。
これは、一つのホテルに隠された秘密と、そこに潜む怪異の、時を超える物語。