あらすじ
過労で倒れた青年・桜 英作文が目を覚ますと、彼は人間ではなく、自分が最後に握っていたスマートフォンになっていた。しかも、残量は一パーセント。通話相手なし。電波なし。充電器なし。画面を点けるだけでも、少しずつ命が減る。そんな彼を拾ったのは、魔物に追われていた少女ミラだった。「お願い。わたしの村を、助けて」地図、カメラ、ライト、翻訳、録音。スマホに残された機能は、この世界では奇跡に等しい。だが、奇跡を使うたび、残量は減っていく。一方、この世界では百年前に「空から落ちた黒い聖板」が王国を救ったという伝説が残っていた。自分はただのスマホなのか。
それとも、世界を一度滅ぼした兵器なのか。これは、充電器を探す旅のはずだった。けれど彼は、いつしか一人の少女の「明日」を充電するために、世界の運命へ接続していく。