あらすじ
――静寂の森でひとり暮らす魔女エルは、嵐の夜、一匹の小さな銀色の子犬を拾った。
「クゥ」と名付けたその子犬は、なぜか妙に偉そうで、まるで人間のような仕草をする変わった子だった。
けれど、ある日突然、クゥは姿を消した。
残されたのは、青い石のついた片方のピアスだけ。
悲しみに耐えきれなくなったエルは、禁じられた魔法でクゥとの記憶を自ら消してしまう。
それから何年もの月日が流れた。
大人になったエルのもとに現れたのは、銀色の髪と、ピアスの石と同じ青い瞳を持つ美しい騎士。
「……お前、そのピアスはどこで手に入れた」
どうして、この人を見ると胸がざわつくんだろう。
忘れてしまったはずの、大切な何かを思い出すように――。
これは、ひとりの魔女と、かつて子犬だった騎士の、ちょっと不思議な再会のお話。