あらすじ
霊・妖怪・名家が支配する日本の霊術社会。
その腐敗した世界の片隅で、ひとりの少年は静かに生きていた。
久遠朔夜――
“何をされても傷一つ付かない”体質を持ちながら、
自分が異常だと気づかないまま、淡々と日常を過ごす高校生。
一方、名家・白妙家の娘である白妙朱璃は、
周囲に“負の感情”を撒き散らす呪いを宿し、
家からは道具として扱われ、仲間からは忌避される少女。
任務中、朱璃は霊主に遭遇し、同行者に見捨てられ、死を覚悟する。
その瞬間――ただの高校生であるはずの朔夜が現れ、
霊主の攻撃を“完全無効化”し、素手で祓い去った。
「呪いなら、俺には効かない」
その言葉は、朱璃の人生を根底から変える。
朔夜は彼女を背負い、名家の腐敗を前にして初めて“他者のために怒る”。
名家の血統主義、対霊庁の無能、
才能ある者が道具として扱われる現実――
朔夜はその全てを嫌悪し、
「腐敗した構造を壊す」という意思を静かに固めていく。
朔夜と朱璃の出会いは、
後に“霊術世界の転換点”と呼ばれる物語の始まりだった。