あらすじ

買う人。 売る人。 救う人。 救われたい人。 そして、「あなたには何かが足りない」と教える人。 この社会では、誰もが少しずつ商売の中にいる。 新しい服を買う会社員。 自己啓発書を読み続ける若者。 フォロワーに人生論を売るインフルエンサー。 悩みを聞くカウンセラー。 不安を数字に変えるマーケター。 「自分らしく生きよう」と語る広告。 臨床心理士・東畑開人も登場する。 ただし、主人公ではない。 この本に主人公はいない。 あるのは、それぞれ別の場所から同じ巨大な市場を見ている人々の姿だけだ。 誰かが「生きづらい」と言う。 誰かがその言葉を本にする。 誰かがサービスを作る。 誰かが広告を打つ。 誰かが買う。 そしてまた、新しい「生きづらさ」が見つかる。 気づけば、寂しさにも商品がある。 不安にも商品がある。 自信のなさにも商品がある。 人生の迷いにまで、月額料金がついている。 では、これは誰が始めたのか。 企業なのか。 専門家なのか。 広告なのか。 SNSなのか。 それとも、買い続けてきた私たち自身なのか。 『消費社会からの脱出』は、悪者を一人決めて終わる本ではない。 むしろ、全員が少しずつ被害者で、少しずつ加害者で、少しずつ顧客である世界を追いかける。 欲望を作る人。 不足を発見する人。 不足を説明する人。 不足を治そうとする人。 そして、不足を抱えたまま今日もレジへ向かう人。 この社会では、あなたの不満には値札がつく。 では最後に残る問いは、一つだけだ。 **その「足りない」、本当にあなたのものですか。**

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カクヨム
カクヨム2026/09/22
  • 現在の作品消費社会からの脱出