あらすじ
半世紀前、宇宙から飛来した未知の物質『ジャスティニウム』。
それをきっかけに、人類の一部には特殊な『能力』が発現するようになった。
能力を悪用する者は『反正義者』と呼ばれる。
そして彼らを排除するために生まれた、対反正義者専門職──『ヒーロー』。
ヒーローによる『正義執行』は、多くの人々を救ってきた。
しかし時として、街を壊し、無関係な市民を巻き込むこともある。
それでもヒーロー法には、こう定められている。
『ヒーローが行った正当な正義執行による被害は、天災と同義とする』
たとえ家を失っても。
たとえ家族を失っても。
それが正義のためなら、ヒーローにも政府にも責任を問うことはできない。
防衛省正義執行局『無能力者管理部』に勤める野田正臣の仕事は、そんなヒーロー活動の被害者たちに「正当な正義執行だった」と説明することだった。
ヒーローは必要だ。
彼らがいなければ、反正義者から市民を守ることはできない。
それでも野田には、子供の頃から捨てきれない疑問がある。
──正義のためなら、人を殺してもいいのだろうか。
そんなある日、一件の『ヒーロー災害』を担当した野田は、その調査結果に小さな違和感を抱く。
そして彼の前に現れたのは、三年連続で最強ヒーローに選ばれた男──海童光流だった。
「野田さん、私の『バディ』になってください」
正義を執行するヒーローと、正義を疑う公務員。
二人が出会ったとき、絶対であるはずの『正義』が、少しずつその形を変え始める。
これは、正義のために戦う者たちが、
『正義とは何か』
その答えを探す物語。