あらすじ
王都衛生局の埋葬許可官ノエルは、死亡証明と身元を確認し、遺体を正式に埋葬してよいか判断している。
ある朝、彼女の机へ侯爵令嬢セシリア・アーデンの埋葬申請が届いた。
死亡時刻は、昨日十四時十分。
けれどノエルは、その日の十六時三十二分にセシリア本人と話している。
本人確認も済ませ、署名まで受け取っていた。
では、事故で亡くなった女性は誰なのか。
申請を止めたことで、すでに動き始めていた相続と土地の手続きまで止まる。
そしてノエルは、間違った名前で埋葬されかけているもう一人の女性と、街道予定地に忘れられていた古い墓地を知ることになる。
生きている人間は埋葬できない。
死んだ人間から、名前を取り上げてもいけない。