あらすじ
人が死ぬまでの時間が見える。
それが、十八歳の湊に突然できるようになったことだった。
見えるのは、頭上に浮かぶ数字だけ。
――死亡まで、71時間59分。
最初にその数字を見たのは、祖父が営む「朝倉なんでも屋」の依頼人だった。
三日後に死ぬ。
けれど湊には、その人が何で死ぬのか分からない。
事故なのか。
病気なのか。
誰かに殺されるのか。
分かるのは、残された時間だけ。
危険を避けても数字は消えない。
その場から逃げても、死までの時間は減り続ける。
なら、どうすれば人を救えるのか。
便利屋の仕事をこなしながら、湊は死の迫る人たちと向き合っていく。
助けられる人もいる。
どうしても助けられない人もいる。
そして一度救ったはずの人に、もう一度「死亡まで」という数字が現れることもある。
――死が見えるからといって、人を救えるわけじゃない。
それでも湊は、目の前にいる人を見捨てることができなかった。
これは、死ぬ三日前が見える少年と、彼が出会う人たちの物語。
今日も湊の頭上には、誰かの残り時間が見えている。