あらすじ
マナと剣、そして失われた古代文明の遺産が息づく世界。
三つの国家が均衡を保つオリジニア大陸北方では、約七十年前に現れた魔族勢力との緊張が、再び戦争の気配を濃くしていた。
エルムント皇国の名門騎士爵家に生まれた十五歳の少年、カイト・ブリングス。
彼は軍人を志し、皇国軍直属の名門エストワール士官学院へ入学する。
そこで出会うのは、厳格な軍師家系に育った小柄な秀才セリム・カースベルト、二度の戦災によって家族と故郷を失い、それでも槍を手に立ち続ける少女リナ・C・モンテハイス、そして人間と魔族双方の血を引き、誰よりも強さを求めるライバルのルカ・ヴァイスベル。
それぞれ異なる事情を抱えながらも、四人は学院で学び、競い、共に戦うことで少しずつ仲間になっていく。
家の後継者。
士官候補生。
仲間を守る騎士。
予言された「赤毛の姫」。
七つのデバイスを宿す器。
世界を救う者。
物語が進むほど、カイトには次々と「こうあるべきだ」という正しい役割が与えられていく。
世界にとっての正解と、一人の人間が望む答えは、本当に同じなのか?
仲間を救うためなら、世界を危険に晒してもいいのか?
世界を救うためなら、愛する誰かを殺してもいいのか?
そして、自分自身を犠牲にすることだけが、本当に英雄の選ぶべき道なのか?
これは、世界の正解から外れた場所で、もう一度「自分」を思い出す騎士の物語。
――『正解圏外 – The Outside of the Answer – 再憶の騎士』