あらすじ
オカルト雑誌の記者、有栖川美羽。
幽霊は怖いので、心霊スポットに行くのは昼間だけ。
歴史の知識も学校で習った程度。
そんな彼女に編集長が押しつけてきた仕事は、
「日本史三大ミステリーの新説を作れ」
無茶振りにもほどがある。
仕方なく本能寺の変について調べ始めた美羽だったが、出てくるわ出てくるわ、黒幕説の数々。
羽柴秀吉、徳川家康、朝廷――。
あまりの多さに、やがて美羽は考えることを放棄した。
「よし! 織田さん犯人説だ!」
もちろん根拠なんてない。
犯人を先に決めて、理由は後から考えればいい。
そんな最低の方法で始まったはずだった。
織田信長という人物を調べ、その行動を追い、宗教に寄り道し、残された記録を拾っていく。
すると――。
「あれ? これ……意外といけるんじゃない?」
これは歴史の真実を解き明かす物語ではない。
史実の隙間に妄想とこじつけを詰め込み、あり得ない新説をそれっぽく仕立て上げる、オカルト記者・有栖川美羽の受難の記録である。
信じる必要なんてありません。
ただ読み終わった時、
「…………もしかしたら?」
そう思ってしまったなら、筆者の勝ちです。