あらすじ
魔法少女はガラスになる。
戦うたびに指先や傷口から身体が透明になっていき、侵食が終わると白く濁る。濁った部分は二度と元には戻らない。
十八歳の冬を越えた魔法少女は、一人もいなかった。
そんな街に、手違いで一人の男が運び込まれる。
ミナトは目の前で砕けかけていた少女へ、自動車学校で習った通りに人工呼吸をした。それだけでガラス化は収まり、失われていた左腕まで再生してしまう。
彼に魔法は使えず、戦う力もない。だが、触れるだけでガラス化を食い止め、元に戻せるのはミナトだけだった。
政府は彼を『補給源』と呼び、少女たちをランク付けした優先リストを貼り出す。
トップは氷の氷堂ヒサメ。二位は炎の火神院カグヤ。三位以下は余り物で、Bランク以下には順番すら回ってこない。
助かる可能性があると知ってしまった日から、彼女たちにとってそのリストは生き残るための命の順番になった。
リストから弾かれた少女たち。魔法が使えない回収係のチトセ。立ち入り禁止の特区に現れる、正体不明の影。
これは、ガラスになっていく少女たちと、彼女たちを治せる唯一の男、そして名前を呼ばれなかった者たちの記録。