あらすじ
「エステル。君との婚約を破棄する」
叔母の夜会で、婚約者は別の令嬢への愛を宣言した。
そのうえ私にグラスを持たせ、「笑って俺たちを祝福しろ」と言う。
好きな黄色のドレスも、友人との観劇も、彼のために諦めてきた二年間。
泣くことまで許してもらわなくてはならないのだろうか。
「帰りたかったら、一緒に帰るわ。ここにいたかったら、私もいる。どうしたい?」
幼馴染の問いかけに、私はようやく、自分の望みを口にした。
ここにいたい。大好きな友人たちと、今夜を楽しみたい。
婚約がなくなるのは、あの方だけではないのだから。
「ですから、私の自由に。乾杯」
翌日は黄色いドレスでお茶会へ。その次は、三人で選んだ芝居を観に。
そして今年こそ、友人の誕生日を、隣でお祝いしたい。
婚約破棄から始まる、好きな人たちと笑う日々の物語。
※同名短編を増補した全4話の連載版です。第1・2話は本編の拡張、第3・4話は観劇と誕生日を描くアフターストーリーです。