あらすじ
新藤保(しんどう・たもつ)、四十歳。二十年間、路線トラックのハンドルを握ってきた。街にダンジョンが空いても仕事は変わらなかった。積んで、走って、時間どおりに降ろす。それだけの毎日だった。
会社が探索事業に鞍替えした日、保は切られる。これからは潜れる人間が要る、運ぶだけの人間はもう要らない、と。
再就職の当てはない。保は台車とロープと養生テープを積んで、ダンジョンの入口に立った。誰も引き受け手のいない仕事が、一つだけ余っていたからだ。——中にいる探索者へ、物を届けること。
保は道を均し、荷を養生し、伝票に書かれた時刻に荷物を渡す。戦えないので、それしかやらない。
やがて探索者掲示板に、妙な書き込みが増え始めた。三十七層で荷物を受け取った、という報告が。
ほのぼの・有能証明・掲示板が騒ぐ話です。完結まで書き上がっています。