あらすじ
倒れた叔母から託されたのは、坂の上の古い洋館――女性専用シェアハウス「楡の家」の鍵だった。
着いた夜、給湯器の水漏れを直そうと脱衣所の戸を開けたら、バスタオル一枚の看護師さんと目が合った。
住人たちは「かおる」という名前の俺を、女の人だと思っていた。
夜勤明けの看護師(三十一)、仕事のできる広告代理店のOL(三十四)、離婚届を出したばかりの元主婦(三十六)、ペンネームを明かさない官能小説家(二十九)、元グラビアのヨガ講師(二十七)。
二週間の「試用期間」で置いてもらった二十六歳の管理人の俺に、叔母の手紙が残した規約は一つだけ。
「夜十時を過ぎて扉を叩かれたら、理由は聞かずに開けること」
共用の風呂、洗濯機、深夜の台所、ベランダの物干し。生活が重なる場所で、お姉さんたちとの距離が一人ずつ、違う形で縮まっていく。
けれど叔母の手紙には、住人たちにはまだ言えない二枚目があった――この家は、今年いっぱいで売られるかもしれない。
取り合いを「協定」で仕切るお姉さんたちと、唯一の男の管理人が、帰る場所を守る同居ハーレム。
※性行為の直接描写はありません。前後の空気と余韻で描きます。登場人物は全員成人の社会人です。