あらすじ
第二王子の婚約者として十年間、未来の王族となるため努力を重ねてきた公爵令嬢ルチア。
ところがある日、第二王子レグナスから「真実の愛を見つけた」と一方的に婚約を破棄されてしまう。
悲しい――わけではない。
腹が立つのは、これまで積み上げてきた十年を、何の価値もなかったかのように扱われたことだ。
「私の努力を、無駄になどしてやるものですか」
ならば、自分の能力をもっと必要としてくれる相手を探せばいい。
そうして夜会でルチアが目をつけたのは、大陸最強の帝国を継ぐ次期皇帝ヴィルヘルム。
『冷血皇子』と恐れられる彼に酒の勢いも借りて突撃し、自分を妻にすればどれほど役に立つかを堂々と売り込んだ結果――。
「なかなか豪胆で、面白い女ではないか」
まさかの、その場で婚約成立。
そして翌日、素面に戻ったルチアは、自分が何をしでかしたのかを思い出して真っ青になる。
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、ヴィルヘルムはどうやら、世間で言われているような冷酷な男ではないようで――?