あらすじ
昭和の面影を残す喫茶店「月時計」。
大学で准教授を務める高城理人と、そこで働く祖父を手伝う女子大生・朝倉日和は、店で起こるちょっとした謎に首を突っ込んでは、今日もああでもない、こうでもないと推理を繰り広げていた。
冷静沈着で推理力抜群の理人。 一方の日和は、推理はちょっぴりポンコツ。 それでも、人の表情や仕草をよく見ている日和には、理人には気づけないものが見えることがある。
「先生、これ……絶対、何かありますよ!」
「……困ったな」
一杯の珈琲から始まる、小さな謎。 そのひとつひとつを追ううちに、二人の距離も少しずつ近づいていく。
けれど――。
理人には、十五年前に起きた忘れられない事件があった。
家族をすべて失った、あの日の火事。
そして、その事件は今も終わっていなかった。
日常の小さな謎を解きながら、少しずつ明らかになっていく十五年前の真実。
珈琲一杯、謎ひとつ。 今日も「月時計」で、二人の物語が始まる。