あらすじ
余命三か月。そう告げられた映像編集者の水城澪は、最後に元彼・久世湊の晴れ姿を見届けようと、ひとりで結婚式場へ向かった。
受付を通り過ぎたところで、湊の兄・朔に腕をつかまれる。
「あいつが君を捨てた理由、本当にそれだと思ってる?」
湊は、澪が病気だから別れたのではない。澪の名前が、本人の同意なく進められた医療研究の資料に載っていた。そして湊は、真実を伝える代わりに、研究スポンサーの娘との結婚を選んでいた。
人の人生を都合よく編集する家族から、澪は自分の記録を取り戻せるのか。式場から始まる三か月の逃避行は、失った恋を取り戻す旅ではない。誰かに決められた余命の外側で、澪が自分の未来を選び直す旅だ。