あらすじ

「王命のお相手を、彼女に替えていただけるよう陛下にお願いする」

幼なじみの手を取ったまま、婚約者はそう仰いました。父は「王命だ、我慢しろ」とだけ言い、母は目を伏せました。

ええ、構いません。泣いてすがるつもりも、陛下に申し上げることもございません。

ただ、あの勅書は、読めば分かるように書かれております。
婚約を命じられたのは、侯爵家と伯爵家ではございません。「侯爵家の嫡男」と——私の名です。

名で下された王命は、陛下にしか書き換えられません。そして陛下は、一度下した命を書き換えないお方です。

替えられないのは、私のほうではございませんでした。

今さら勅書を読み返しても、もう遅いのです。

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アルファポリス
アルファポリス2026/09/21
  • 現在の作品【完結】幼なじみを妻にしたいと仰るなら、どうぞ勅書をお読みください。婚約を命じられたのは侯爵家の嫡男と、私の名でございます