あらすじ
何も成し遂げないまま、俺は死んだらしい。
目を覚ますと、そこには頭に輪っか、白い髭、杖を持った老人。
神さま
「なんと嘆かわしいやつじゃ。何も残せぬまま死ぬとは」
どうやら本物の神様だったみたい。
そして俺は、異世界へ転生させられることになった。
どうせ転生するなら、せめて配下くらい好きに選ばせてほしいと、頼んでみたのだが――
「ダメじゃ。おぬし、わしを配下にするつもりじゃろ」
さすが神様。
なんでもお見通しだった。
仕方がないので交渉した結果、なぜか手に入ったのは――きび団子百個だった。
そして転生した俺を待っていたのは、桃ではなく巨大な西瓜だった。
猿、雉、犬?
そんな都合よくいるわけがない。
だから俺は代わりに、
猿枠――ベヒモス。
雉枠――ドラゴン。
犬枠――ケルベロス。
どう考えても配役を間違えた三匹を従え、鬼退治へ向かうことになった。
そして、ようやく鬼ヶ島へたどり着いた俺たちを待っていたのは――
門の上で振られる、巨大な白旗だった。
「……まだ何もしてないんだけど?」
桃太郎になりたくなかった男と強すぎるお供たちが繰り広げる、ちょっとおかしな異世界生活の幕が上がる。