あらすじ
千鶴と美冬は同じ大学に通う、同棲中の恋人同士。
二人の毎日は平凡で、穏やかで、幸せだった。
千鶴はずっと、こんな日々がこれからも続いていくのだと思っていた。
あの日、偶然美冬のスマホに表示された予定を見るまでは。
「8月12日――千鶴と別れる」
その日まで、あと二週間。
それからというもの、美冬は少しずつ私物を整理し始め、まるで別れの準備をしているかのようだ。
なのにその一方で、美冬は以前よりも千鶴に優しくなっていく。
もう私と別れるって決めているのに。
どうして、そんなふうに私を見るの?
どうして、私を抱きしめるの?
どうして、私にキスするの?
千鶴はまだ知らない。
あらかじめ決められたその「別れの日」の裏に、美冬がどうしても千鶴には明かしたくない秘密が隠されていることを。
これは、限られた時間の中で、それでも互いに限りない愛を注ごうとする二人の、甘くて少しほろ苦い物語。