あらすじ
『カーテシー・クラブ』第6巻 梗概
いつものメタモルフォーゼ会とは、何かが違う。
アレクサンドル・イリイチ・アルセーニエフが参加したその夜、集められていたのは女性装に慣れた古参の男性たちばかりだった。衣装、化粧、レヴェランス、舞踏だけではない。参加者たちは女性名を与えられ、女性役としての言葉遣いまで要求される。そして会場で彼らを待っていたのは、男装した女性ではなく、本物の男性たちだった。
「アレクサンドラ」と名乗ることになったアレクサンドルは、若い貴族リョーヴァと組まされる。男性を相手に、宮廷婦人として手を取られ、腰や背へ手を添えられ、それでも女性役を崩してはならない。いつもの仲間たちもほとんどいない中、アレクサンドルは、自分だけが奇妙な別世界へ迷い込んだような感覚を覚える。
そんな折、国家機密に関わる文書が盗まれる事件が発生する。捜査に関わることになったアレクサンドルとコローヴィンの前に浮かび上がったのは、「誰にでもなれる」としか思えないほど高度な変装技術を持つ謎の人物――チェーニだった。