あらすじ
昔話は、終わった話じゃない。
誰かが覚えているかぎり、今日もどこかで続いている。
舞台は、現代日本によく似た架空の国――「日ノ本」。人口、都市、交通、スマートフォンなどは現実の日本とほぼ同じ。ただし、一つだけ大きく違う。妖が実在している。
約100年前、妖の存在が社会的に認められる大きな出来事が起こった。
「境界開き」
朝倉 湊 24歳。
東京の出版社で働いていたが、退職。祖母が経営していた古い喫茶店を引き継ぐことになる。店の名前は、「喫茶まほろば」築70年以上。木製のカウンター。古い振り子時計。レコード。クリームソーダ。ナポリタン。プリン。昔ながらのブレンドコーヒー。そして、人間にも妖にも人気の店。湊自身は妖を見ることができる。しかし本人は、「昔からそういうものだと思ってた」程度にしか考えていない。湊には特別な能力がある。
「記憶の味」
誰かが長年大切にしてきた料理を食べると、その料理に込められた記憶を一瞬だけ感じる。例えば、祖母の作ったおはぎを食べる。すると、50年前の祖母と少女時代の友人の会話が見える。ただし、映像を自由に見ることはできない。あくまで、料理に込められた感情や記憶が断片的に流れ込んでくる。そのため、ご当地グルメが事件解決の鍵になる。
白妙 白狐の妖。
見た目は16歳くらいの少女。実年齢は不明。人間社会では喫茶店のアルバイトとして働いている。性格は、生意気・食いしん坊・意外と世話焼き・甘いものに弱い・妖のくせに怖がり・人間文化が大好き
特に好きなのが、プリンアラモード。事件を解決すると、「事件も解決したし、甘いものを食べましょう」と言う。
神崎 千歳 29歳。
全国の寺社や妖に関する文化財を調査する女性。表向きは文化財研究者。実際には、「境界管理局」という政府機関の職員。全国で発生する、妖怪事件・伝承異変・神隠し・都市伝説・付喪神騒動などを調査している。