あらすじ
両親の食堂を手伝っていたエリナは、ある日突然、勇者に選ばれた。
剣なんて握ったこともない。
魔法も使えない。
そんな無茶な。
それでも勇者になった以上、魔王を倒さなければならない。
エリナは剣を握り、一人で旅をして――見事に負けた。
それでも「勇者だから」と三年間頑張った。
そんな彼女の前に現れたのは、くたびれた外套を着た怪しいおじさん。
「名前は?」
「やどかり」
「……本名?」
「さあな」
「怪しい……」
そのうえ、おじさんは世界を救えとも、もう一度魔王と戦えとも言わない。
ただ一つ、エリナに尋ねた。
「お前は、何がしたい?」
帰りたい。
もう傷つきたくない。
美味しいご飯も食べたい。
でも、まだ助けたい人もいる。
勇者とは、選ばれた一人だけなのか。
これは、ボロボロになった勇者と、
カッコつけたがりの変なおじさんが、
「自分は何がしたいのか」を選びながら仲間を増やし、
気づけば世界まで救いに行く物語。