あらすじ
婚約破棄された公爵令嬢セラフィアは、根っからの悪い女である。
あの伯爵令嬢を、……それはもう卑劣に虐めまくった。ドレスにワインをぶっかけたり、教科書を隠したり、悪口を言い触らしたり、取り巻きたちと一緒に牽制をしたり。
その結果下った処分は修道院行き。それと共に、王太子との婚約は破棄となったのであった。
そんな、所謂「負けルートEnd」となったセラフィアはある日運命の出会いを果たすのだ。
道端に丸まって、塵みたく蹲っているそれを見付けたのは、とある大雨の日だった。
差別対象となるその赤髪を見てセラフィアは思う。
──上手いこと駒にできるかしら
そして拾ってみたら、モルティアスという悪魔だったという──
これはそんな、性根がまるっきり変わっていない婚約破棄された公爵令嬢が、ひょんなことから悪魔を飼い、人生が変わる、そんなお話。
……え? そんな悪役が懲らしめられない話など爽快でないから読みたくない?
パンがないならブリオッシュを食べれば良いじゃない。この、マリー・アントワネットの言葉としてあまりに有名な逸話は、当時の物価や事情まで見れば何となく理解出来ることだろう。
要するに、そういう事だ。
セラフィアの父が、彼女を修道院行きにする時に伝えた言葉はたった一つであった。
──なんで、もっとうまく出来なかったんだ
……これは、貴族の争いに巻き込まれ、散っていった敗者の、逆転の物語。