あらすじ
世界には、死者の記憶から怪異を生み出す白い森がある。
その森は毎年少しずつ領域を広げ、一度呑み込まれた土地は2度と戻らない。
森から生まれる怪異《亡骸》を葬る《葬送騎士》レオン・アーヴェルは、ある日、森の奥で1人の少女と出会う。淡い銀髪と青い瞳を持つ少女、エリナ。
彼女には自分が何者なのかという記憶がない。それなのに、なぜかレオンの名前だけを知っていた。
エリナを連れて森を出た直後、レオンのもとへ奇妙な依頼が届く。
「半年前に死んだ夫が、毎晩家へ帰ってくるんです」
死んだ父は娘を愛し、娘も父との再会を喜んでいた。
だが、父はやがてこう言い始める。
「もう学校へ行かなくていい」
「ずっと父さんと一緒にいよう」
愛する人を失いたくないという願いは、どこから怪物へ変わるのか。
本人と同じ姿/記憶を持ち、同じように笑い、同じように愛してくれるなら、それを偽物と呼べるのか。
失われることのない永遠の今と、変わっていく明日のどちらが正しいのか。
これは愛した人との幸せな日々を忘れられない人々と、傷つきながら未来へ進もうとする者たちの物語。
そしていつかレオンは、エリナと約束を交わすことになる。
「私が私じゃなくなったら、殺して」