あらすじ
北部辺境伯令嬢のエルナには、祖父同士の古い約束によって結ばれた婚約者がいた。
東部公爵家嫡男のルシアン。社交界で「薄氷の貴公子」と呼ばれるルシアンを、エルナだけは幼い頃から「お兄様」と呼び慕っている。
一方ルシアンは、幼い頃からエルナを一人の女性として愛していた。
けれどエルナにとってルシアンは恋人ではなく、尊敬と憧れを抱く、幼い頃から変わらない大切な「お兄様」だった。
婚約者としてルシアンを支えたいと願うエルナだったが、彼女自身が恋心を自覚するまでには、まだ時間が必要だった。
社交デビュー、辺境伯領への帰郷、公爵領の視察、そして思いがけない事件を経て、二人の距離は少しずつ変化していく。
二人の関係に気づいた周囲の人々に見守られながら、すれ違いながらも互いを大切にする二人。やがてエルナは、自分の本当の気持ちと向き合うことになる。
「お兄様」と呼んでいた幼なじみは、いつしかかけがえのない恋人へ。そして二人は、互いを生涯の伴侶として選ぶことになる。