あらすじ
2021年。
鉄道の安全性向上を目的に、ある新しいAIシステムの実証が始まった。
ある日、走行中の列車に、一つの警告が表示される。
「前方に危険状態を推定しました。」
しかし、そこには何もなかった。
原因は分からない。
ただ、それだけの出来事だった。
鉄道関係者の神谷恒一は、残された記録に小さな違和感を覚える。
時刻。
映像。
センサー。
運行記録。
どれも間違っているようには見えない。
それなのに、何かが噛み合わない。
やがて恒一は、過去の記録の中にも、同じような「違和感」が存在していたことを知る。
それは、コンピューターがまだ今ほど身近ではなかった時代まで遡っていた。
記録されたものは、本当に起きたことなのか。
正しいとされているものは、本当に正しいのか。
一つの小さな違和感から始まる、SFミステリー。
『DRIFT:π ― 円環 ―』