あらすじ

蒸気とガス灯の煙が立ち込め、緋色の彼岸花が狂い咲く架空の帝都。 横暴を極める帝都軍の厳しい言論統制のもと、民衆は真実を奪われ、息をひそめて暮らしていた。 すべてが狂い出したのは、月夜の庭。 「鵺(ぬえ)」に、東雲家の令嬢・菫が命を脅かされる。 口元を強く塞ぐのは、機械仕掛けの手だった ───。 暗闇の中、死の恐怖に震える菫を見下ろしたのは、氷のように冷たくも儚い、アーモンド色の瞳だった。 「声を出すな……命が惜しかったら、黙っていろ」 軍の禁忌『人間兵器計画』の闇を暴くため、あえて異質な姿を晒して夜を駆ける暗躍者になる・玖島 凛太郎。 鵺を追うのは、菫の幼馴染であり、帝都軍の誇り高き軍人・榊原 鳳介。 己の信じる正義と忠義を胸に鵺を追い詰める鳳介だったが、追撃の果てに軍の恐ろしい闇を目撃し、握りしめた軍刀とともに激しい葛藤へ引き裂かれていく。 正義と闇の狭間で揺れる軍人。 消えゆくような宿命を背負い、孤独に戦い続ける暗躍者。 そして、あの夜の冷たい体温が忘れられず、決して届かぬ恋を抱いた少女。 狂い咲く彼岸花の影で三人の運命が交錯するとき、帝都を揺るがす恐ろしい真相が牙をむく――。

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カクヨム
カクヨム2026/09/21
  • 現在の作品彼岸花の咲く夜に鵺は騙りて身を隠す