あらすじ
曲拓人(まがり・たくと)――所属、帰宅部。
前代未聞の帰宅部。
最強すぎて全部活から勧誘される。
陸上部のエースを凌ぐ脚力。バスケ部のホープを絶望させるシュート精度。剣道部主将が思わず見惚れる、無駄のない身のこなし。あらゆる才能を持ちながら、彼はどの部にも所属しない。文武両道を体現しながら、栄光にも勝利にも一切興味を示さない孤高の存在。
その理由はただ一つ。
「めんどくさいので」
帰宅部・曲拓人が、その全能力を懸けて向き合うのは、全国大会でも青春の1ページでもない。冷蔵庫の中で賞味期限を迎えようとしている、一個のプリンである。
才能とは何のためにあるのか。
青春とは何なのか。
その答えは、たぶんない。何もない。