あらすじ
「君は優秀だ。でも、俺の隣に必要なのは未来を作れる人間なんだ」
新しい魔導具を一つも生み出せないことを理由に、婚約を解消された侯爵令嬢リーゼ・アルトマン。
彼女が選んだのは、亡き祖父が辺境に残した魔導具修理工房〈つぎはぎ屋〉だった。
リーゼは発明ができない。
その代わり、誰にも直せない古い魔導具を直せる。
そして壊れた魔導具に触れると、そこに残った感情や魔力の痕――〈残響〉を感じ取ることができた。
母の形見のオルゴールに残った「恐怖」。
戦場で折れた剣に残った「安堵」。
父娘の懐中時計に残った「後悔」。
壊れた道具を直すたび、その向こうに残された人の人生が見えてくる。
そんなリーゼの前に現れたのは、
「直せることと、安全に使えることは別だ」
と言い切る王立魔導技術局の技師、アルベルト・レイン。
壊れたものを放っておけない令嬢と、危険なら捨てるべきだと考える王立技師。
正反対の二人はやがて、王国中の古い魔導具を蝕む、十五年前から続く異変へ辿り着いていく。
魔導具修復×お仕事×ライトミステリー×じれじれ恋愛。
壊れたものを直しながら、自分の人生も作り直していく物語。