あらすじ

すべてを見通す力を持つナノマシンとして生まれながら、その問いの答えだけは見つけられないまま、わたしは時を遡った。目指したのは、AIが人間社会に浸透し始めたばかりの二〇二六年。 この時代には、未来のような無尽蔵のエネルギーはない。わたしに許されたのは、七日に一度だけ、誰かの願いを叶える力。猫になり、置き物になり、車になり、時にはピアスやアプリのアイコンになって、わたしは人間たちのそばに紛れ込み、彼らのこぼす小さな声に耳を澄ませてきた。 叶えられる願いは、いつも一つだけ。だからこそ見えてくる、人間という生き物の輪郭がある。 これは、答えを探して彷徨う一つのナノマシンが、七日ごとに出会う、名もなき人々の物語。そして同時に、人類が最後に残した問いへの、静かな答え探しの記録でもある。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/21
  • 現在の作品粒子の記憶