あらすじ
「戦えない置物は邪魔なんだよ。魔力を右から左へ流すだけのゴミが」
帝国宮廷魔導師団長であり、勇者パーティのリーダーでもあるギルバートから告げられた解雇通告。
【魔力循環士】のエドガーは、反論ひとつせず「了解した」と一礼し、自分の私物をまとめて静かに立ち去った。
彼らは致命的な勘違いをしていた。
エドガーが毎日行っていたのは、ただの魔力調整ではない。
大陸全土に張り巡らされた「龍脈ライン」の電圧を整え、世界中の魔導具、防壁、暖房、転移門、果てはポーション生成器に至るまで、すべてのエネルギーを供給していた――文字通りの《主電源(マスター・ジェネレーター)》だったのだ。
「そうか。じゃあ、俺の魔力ライン(コンセント)はすべて抜いていくよ」
自由を手に入れたエドガーは、かつて魔力枯渇で滅びかけた最果ての未開拓領地・シルフィアへと気ままなスローライフへ。
そこで出会ったのは、魔力切れで機能を停止していた古代魔導アンドロイドの少女や、飢餓で衰弱していた常春の精霊女王たち。
「……充電、完了。マスター、生涯の忠誠を捧げます」
「こんなに満ち足りた魔力、数千年ぶりですわ……!」
エドガーの規格外魔力で息を吹き返した彼女たちと共に、辺境は瞬く間に大激変!
全自動魔導温泉、不夜城のイルミネーション、美味い野菜が育つ温室農園、時速五百キロの超伝導リニア鉄道、成層圏を貫く軌道エレベーター――。
ただの荒野だった土地は、世界一快適で豊かな「超魔導パラダイス」へと生まれ変わっていく!
一方その頃、エドガーを失った帝国は大惨事に陥っていた。
「おい、なぜ魔導ランプがつかない!? 暖房はどうした!?」
「報告します! 王都の防壁が沈黙、転移門が全滅、ポーション生成プラントが完全停止しました!」
「バカな、エドガーはただの雑用係だったはずだろ!? 今すぐ呼び戻せ! 首根っこ掴んでコンセントを挿し直させろ!」
「む、無理です! 彼はもう、どこの魔力回線にも繋がっていません……!」
……もう遅い。
一度抜いたプラグは、二度と身勝手な奴らのためには挿してやらない。
これは、世界を裏から動かしていた青年が、美少女たちと気ままに暮らすうちに、いつの間にか星そのものを救う巨大国家を築き上げてしまう物語。