あらすじ

父が殺された夜、長女の紗弓だけが家から消えた。 強盗殺人として始まったはずの事件。 けれど、残された家族の証言は少しずつ噛み合わず、刑事・田口と谷口は、父の死よりも深いところに沈んでいた秘密へ近づいていく。 やがて辿り着くのは、麻布の古い寺――西恩寺。 父が最後まで隠していたこと。 母が知られたくなかったこと。 妹が守ろうとしたこと。 そして紗弓自身が、知らないままでいたかったこと。 家族だったはずなのに、知らないことばかりだった。 もし、もう少し早く話していれば。 もし、あの夜、家へ帰らなければ。 もし、一言だけ飲み込めていたなら。 もう戻れない時間ばかりが、あとになって意味を持ちはじめる。 これは、父親を殺した犯人を探すだけの物語ではない。 真実を知ってしまった人たちが、 それでも明日を生きなければならない物語。 『西恩寺の女』 ――知らなければ、傷つくこともなかったのに。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/21
  • 現在の作品『西恩寺の女』 父が殺された夜、家族全員が嘘をついた。 ――知らなければ、傷つくこともなかったのに。