あらすじ
午後。とあるチェーンの飲食店。昼時の混雑はすでに過ぎ、店内にはちらほらと空席が目立っていた。天井のスピーカーから穏やかなBGMが流れ、どこかのんびりとした空気が漂っていた。そんな店内の一角で、一人の男が席に座り、顔の前にメニュー表を広げていた。
料理の写真を眺めながら、時おりメニュー表をほんの少し横にずらす。視線の先には小柄な女店員の姿があった。目が合うと、彼女はにこりと笑みを向けてきた。それを受けて男も口元を緩め、小さく微笑み返した。
「すみませーん」
男が手を上げると、女店員は「はーい」と間延びした返事をして、小走りで駆け寄ってきた。
「何にするか決まった?」