あらすじ

「借金はございません。それでも、ここで働かせてください」 江戸・日本橋の老舗呉服商「紅屋」で育った、お鈴。 読み書きや琴、和歌に通じ、何不自由ない暮らしを送っていた彼女には、ある秘密があった。 お鈴の亡き母は、かつて吉原の大見世「千歳屋」で名を馳せ、紅屋の主人に身請けされた遊女だった。 父の死後、家を継いだ者たちから、年上の商人の妾になるよう迫られたお鈴は、用意された人生を拒み、母がいた吉原へ向かう。 数え十七。借金も年季もなく、自ら大門をくぐった異例の娘。 手にしていたのは、わずかな着替えと、母の形見である緋桜の簪だけだった。 なぜ自由を求める娘が、自由なき吉原を選んだのか。 「桜野」と名を改めたお鈴は、やがて吉原中にその名を轟かせる花魁――緋桜へと昇りつめていく。 これは、誰にも己の値打ちを決めさせなかった、一人の女の物語

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カクヨム
カクヨム2026/09/21
  • 現在の作品緋桜花魁