あらすじ
侯爵令嬢リディアは、第二王子エヴァルトと密かに愛し合っていた。
今すぐ婚約できないのは王家の事情のため。
時期が来れば、自分との将来を父王へ願い出てくれる。
そう信じていた。
ところがある夜会で、伯爵令嬢セシリアが自分とよく似た青い宝石の首飾りを身につけていることに気づく。
「その首飾りは、どなたから贈られたものですの?」
答えは同じだった。
第二王子エヴァルト。
二人で彼との思い出を突き合わせてみれば、会っていた時期も、将来を期待させる言葉も重なっている。
けれど奇妙なのは、彼が二人へ同じ口説き文句を使っていたわけではないことだった。
リディアには、リディアが最も信じたい言葉を。
セシリアには、セシリアが最も喜ぶ言葉を。
そして調べるほどに、二人はある疑問を抱き始める。
――本当に、恋人は私たち二人だけなのだろうか。
恋敵になったはずの令嬢たちが、好きだった男について答え合わせを始めるおはなし。