あらすじ
十歳で聖女となって以来、十三年間、国のために力を使い続けてきたベレナ・ロセラ。
けれど、より強い力を持つ新しい聖女が現れたことで、王太子セバリオとの十年に及ぶ婚約はあっさりと解消され、聖女としての役目も終わりを告げる。
これからは好きなことをして生きればいい――そう言われたベレナだったが、好きな食べ物も、好きな色も、これから何をしたいのかさえ、何ひとつ答えられなかった。
そんな彼女が修道院へ向かう途中、敵国シュヴァルドの兵士たちに突然さらわれる。
彼女を名指しで連れてくるよう命じたのは、人に触れれば命を奪うという呪いを持つ、シュヴァルド国王オルヴェン。
聖女の力を求めて誘拐したはずなのに、ベレナの力がほとんど失われていると知っても、彼は彼女を帰そうとしない。
「何もしなくていい。生きていればいい」
役に立つことを求められてきた国と、何も求めない代わりに彼女を手放そうとしない王。
ベレナは、二つの国と、二人の男の価値観に振り回されながら、自分の好み・怒り・欲望・自由を取り戻し、最後に『自分で選んだ愛』へ辿り着く。
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あなたは何かができるから愛されるのではない。
そして、愛されることと所有されることも同じではない。
それでもあなたは、誰かを選び、自分の人生を選ぶことはできる。