あらすじ
エレシア・アルフォードには、一歳年下の妹リリアナがいる。二人は幼い頃から双子と間違えられるほどよく似ていたが、性格は正反対。それでも家族仲は良く、姉妹として穏やかな日々を送っていた。
そんなエレシアには、一年前から交際している侯爵家の嫡男アルベルトがいる。最近になって指輪や宝石の好みを尋ねられ、父とも密かに話をしている様子から、エレシアは近いうちに求婚されるのではないかと期待していた。
そして迎えた夜会の日。アルベルトから庭園へ呼び出されたエレシアだったが、思わぬ出来事から約束の時間に遅れてしまう。
急いで庭園へ向かった彼女が目にしたのは、妹の前で跪き、指輪を差し出しているアルベルトの姿だった。
「……どうして妹が求婚されていますの?」
どうやら姉妹を間違えてしまったらしい。素直に認めて謝れば、それだけで済んだはずだった。
ところがアルベルトは、なぜか妹を指して言い張った。
「君がエレシアだ」
たった一度の間違いを認められなかったことから、二人の関係は思わぬ方向へ転がり始める。